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窮地の民主党県連 どうする県出身3議員

2010年6月1日 09時25分








 よもやこんな苦境の中で参院選を迎えるとは思っていなかったに違いない。民主党県連のことである。

 共産党は、すでに県選挙区の独自候補を決め、社民党、社大党と共闘できないかを模索している。そんな状況の中で、民主党の存在感は希薄になるばかりだ。

 民主党県連代表で改選の喜納昌吉氏(比例区)は鳩山由紀夫首相と抱き合わせのポスターを作成しているが、逆風の中での厳しい選挙戦になりそうだ。

 民主党県連は、政権与党の強みを生かし、同党主導の下で統一候補を押し立てて参院選に勝利し、その勢いで知事選に臨むシナリオを描いていた。

 それが普天間問題でいっぺんに吹っ飛んでしまった。沖縄の民主党衆参3議員は、最後まで県内移設に反対してきたが、辺野古に回帰した鳩山政権に追い込まれた形だ。

 「最低でも県外」を掲げた鳩山代表の下で民主党は、衆院選の県内選挙区で初めて、玉城デニー氏、瑞慶覧長敏氏の2議席を獲得した。自民党議員は史上初めてゼロとなった。

 選挙戦向けに作成した「沖縄ビジョン2008」でも「県外移設を模索すべきであり、国外移転を目指す」と明記している。

 民主党の選挙公約が多くの県民に受け入れられたのである。

 民主党県連は政府が決めた辺野古移設案を党のどのような場で問題にしていくのか。目の前の参院選に政権与党としてどう対応していくのか。胸突き八丁に差し掛かっている。

 政治は結果、といわれる。選挙前にどんな立派なことを言ってもそれが実現できなければ逆に公約を破った責任が問われるのは当然である。

 今回の日米共同声明は、連立政権合意に反するどころか、民主党内の議論さえ行われた形跡がない。

 県選出の議員だけでなく、党内からも多くの異論が出ていることがそれを証明する。党と政府の関係も、党内もちぐはぐなのだ。

 鹿児島県選出の川内博史衆院議員らは、移設先を北マリアナ諸島のテニアン島とする「緊急声明」を、日米共同声明の前日に政府に提出している。

 沖縄の6人を含む民主、社民、無所属の衆参国会議員180人が名前を連ねている。日米合意の強引さを物語るものである。

 民主党県連は常任幹事会で、政府に閣議決定の変更と米国と再交渉し県外・国外を求めることを決めた。党内で県外・国外移設の声をどう届かせ、政府を動かすのか。3議員の真価が問われる。

 同調者をさらに広げる努力を全力で行ってもらいたい。

 県外・国外をこれまでずっと主張してきたことは分かる。ただ、党内ではこのような議論を正面から展開するような雰囲気はない。よほど腰を据えて取り組まない限り飲み込まれるだけだろう。

 沖縄の民主党議員としての存在理由が問われていることを忘れてはならない。






沖縄タイムス 社説

by exjwq9 | 2010-06-06 16:42  

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